力士の髪型と言えば、髷(まげ)ですよね!
簡単に縛った「ちょんまげ」と十両以上の力士にのみ許された「大銀杏」その、どちらも結っているのは、床山(とこやま)さんと呼ばれる、職人さんです。
床山さんになる為には?
中学卒業以上かつ満19歳までの男子のみ、停年は満65歳。
床山さんの世界も階級制!見習い期間が3年、その後、勤続年数や技量によって、五等床山から特級床山まで。階級が上がるにつれ、番付の高い力士を担当するようになります。
力士の四股名のように床山名があり、「床」から始まる名前を名乗っています。
床山さんのお仕事とは?
各部屋に所属し、毎日力士達の髷を結っています。
理容師や美容師などの特別な資格は必要なく、日本相撲協会に採用されています。
定員は50名となっていますが、大人数の相撲部屋に床山がいない場合は定員を超えて採用されることがあります。
床山さんの道具は、特殊な物は特になく、目の粗さが違う櫛が3種類、大銀杏を整える「マゲ棒」(たこ焼きをひっくり返す時に使う金属の棒に似ています)、鬢付け油と呼ばれる「すき油」、髪を縛る時に使う「元結(もとゆい)」などなど。
もちろん最初から大銀杏が結えるわけではなく、まずは、ちょんまげから。入門して2~3年で、ある程度技量が身に付いたと先輩から認められて初めて大銀杏が結わせてもらえるようになるとか…。厳しい世界ですね。
でも、大銀杏に必要なのは美しさだけじゃないんです。力士達はその大銀杏で激しい相撲を取らなければいけません。立ち合い当たった瞬間に大銀杏が崩れていたのでは、見た目あまり美しくないですよね。(激しい立ち合いで元結が切れてしまうことはありますけどね。)
大銀杏に求められるのは、美しさだけではなく柔軟性と持続性!
そういった技量とセンスを身に付けるに、毎日が修行なのです。
床山さんに会うには?
床山さんがお仕事されている姿はなかなか見られないですが、見るチャンスがあるとすれば「地方巡業」です!
巡業によっては「髪結い実演」といって、大銀杏を結う工程を土俵上で披露する場合もあります。あとは、かなりレアですが……時間的には幕下以下の稽古が終わった頃。
支度部屋前に行くと、若い力士が5人くらい並んで髷を直してもらっている光景を見ることが出来ます。会場によっては、一般客は立ち入り禁止になっているエリアの場合もありますので、その際はご了承ください。
ちょんまげなら1人5分くらい、大銀杏なら40分くらいで結えるとか!どちらも職人の技はやはり素晴らしく、息をするのも忘れるぐらい目が釘付けになります。
本場所だと、床山さんも結構ウロウロされています。ズボンの後ろポケットから元結が出ていれば、床山さんの可能性高いです。
お忙しくなければ、色々興味深いお話が聞けますよ!