「ハッケヨーイ!ノコッタノコッタ!」
誰でも一度は聞いたことがある、この掛け声で取組を裁くのが「行司」さんです。
きらびやかな装束を身にまといながらも、機敏に土俵内で動き回る姿はいつも見とれてしまいます。。。
行司さんはどこで暮らして、どれくらいいるのか?
行司さんですが、実は人数の定員がきまっているんです。
これは、呼出しさんと同じく45名。力士同様に各相撲部屋に所属して、相撲部屋で生活を共にしています。
「木村」「式守」の二家があり、それぞれ「木村○○」「式守○○」という名前を持っています。横綱や大関といった階級のある力士同様に階級制があり、序ノ口格から最高格・立行司まで。
行司さんの出世とその責任…
昇格・降格は必ずしも年功序列ではないんです。裁き方、かけ声などさまざまな要素をもとに判断されます。なので、行司さんにとって「軍配差し違え」は “ちょっとしたミス” では済まされません。
特に、最高格。立行司は、短刀を差しており、これは、軍配を差し違えてしまった場合は切腹しますという覚悟を表しているという説もあります。。。
実際には切腹まではしませんが、日本相撲協会に「進退伺い」を出すことが慣例となっています。丁度最近、立行司さんが2場所連続差し違えをしたために3日間の出場停止になった例があります。
行司の階級の差は装束などに明らかな違いがあり、装束の房の色も階級別に使える色が決まっています。早い時間の取組を見たことのない人が一番衝撃を受けるのは、序ノ口から幕下中盤あたりまでを裁いている行司の足元です。実は素足なんです!
幕内・十両を裁いている行司は白足袋を履き、三役格以上になると草履を履いています。「こんなあからさまな違いがあるの!?」とよく驚かれます。気になる方はぜひ早い時間の取組をご覧ください!
行司さんのお仕事とは??
勝負を裁くことだけが行司の仕事ではなく、土俵入りでの先導役、顔触れ言上(『本場所の1日』参照)、場内アナウンス、土俵祭の進行など多岐に渡ります。
取組の時の力士紹介はもちろん。取組後に「ただいまの決まり手は~」とアナウンスしているのも実は行司さんなんです。
単語帳のようなものにそれぞれの力士の出身地などが書き込まれており(間違えないように実はふりがな付き!)、それを片手にアナウンスしています。
行司さんがアナウンスする館内放送用の席は、国技館の場合ちょうど西の花道横4列目あたりにあるので、その近くの席に座れた際はいつもと違う行司さんのお仕事ぶりに注目してみるのも面白いですよ!
土俵上の装束と違い、普通のワイシャツ姿なので、何も知らないお客さんからたまに「関係者の方?」と聞かれているのを耳にします。。行司さんですよ!とツッコミたくなるのを抑えて、装束とのギャップを楽しんでいます。。
また、番付表を書くのも行司さんの大事な仕事の一つです。入門してまだ日の浅い行司さんは、本場所がない時などに相撲字の練習をしています。相撲時の習得には数年かかると言われています。私ayaもチャレンジしてますが、難しい…。
こうした裏方としての実務をこなしてくれる行司さんがいるからこそ、相撲のさまざまな物事がスムーズに進んでいきます。今、素足で裁いている若い行司さんが、私たちの老後には立行司になっているかも…と思うと、ちょっと応援してみたくなりませんか??