取組が始まる時、土俵に上がって、白扇を広げ
「ひが~し~」
と呼び上げている人それが、聞きなれない方もいるかもしれませんが「呼出し」さんです。
呼出さんになる為には??
現在の定員は45名。中学卒業以上満19歳までの男子のみ。定年は65歳!力士同様に各相撲部屋に所属して、力士らと寝食を共にしています。
基本的には年功序列です。力士の番付のように序ノ口呼出から最高位・立呼出までの階級があります。
番付表に名前が載るのは十枚目呼出から。勤続年数などによって昇格が決まります。
縁の下の力持ち!呼出さんのお仕事
呼出しさんの仕事内容は大きく分けて、3つ!
1.「呼び上げ」…土俵上で力士を呼ぶ
1番記憶に残るお仕事といっても過言ではありません。呼び上げは取り組み前に会場内が1番盛り上がる部分です。
また、その他に本場所中の土俵周りでのお仕事はいろいろあります。力士が土俵で仕切っている時に土俵を掃き清めたり、十両以上の取組時に水付けの紙を渡したり、時間いっぱいの時にタオルを渡しているのも呼出しさんです。
力士がまく塩。あれ、サラサラの状態にするために一度こしてあるって知っていましたか??そういった地味だけど大事な作業をしているのも呼出しさん。その作業があるから、力士が綺麗に塩をまけるんです。
また、幕内以上で懸賞がかかった時に懸賞幕を掲げて土俵を回っているのも呼出しさんです。
こうやって挙げてみると、意外と(?)本場所中に呼出しさんをたくさん目にしていますよね。
2.「土俵築き」…土俵を作る
『土俵のアレコレ』という記事にも書かせて頂きましたが、本場所で使われる土俵、相撲部屋の土俵、地方巡業での土俵、それら全てを作っているのは、呼出さんです。
特に本場所の土俵は、初日の3日前くらいから呼出し総勢45人で作っていらっしゃいます。
3.「太鼓」…目的に応じて打ち分ける
相撲が始まる時、相撲が終わった時、何気なく耳にしている太鼓の音。TVの相撲中継が始まる時も、太鼓の音から始まっています。
あの太鼓、叩いているのは呼出しさん!櫓の上で実際に叩いています。
櫓の上だとなかなか見えないですが、地方巡業の場合は開場と同時に、入り口付近に座って叩いていらっしゃるので、間近で見られます。
少しでも早く会場に入って稽古を見たい気持ちと太鼓を目の前で見たい気持ちの間で毎回葛藤しています。。。
また、土俵の進行を知らせる柝(き)の音。土俵入りで四股名がアナウンスされる時に聞こえるあの澄んだ高い音。あれも呼出しさんが打っています。
この柝の音が相撲界では時計みたいなもので、土俵入りの時間が近づいたことを支度部屋の力士たちに知らせる伝達手段として用いられています。
これは巡業等でも同じで、支度部屋で思い思いに過ごしていても、この柝の音を聞くと一気に雰囲気が変わり関取や付き人達が動き始める合図になります。
実は「スー女」に大人気!
いつも何気なく耳にしている音、目にしている風景、すべて呼出しさん達によって作り上げられているということがお分かりいただけたでしょうか。
最近では、力士だけでなく、呼出しさんにも声援が飛ぶこともしばしば。呼び上げが終わって力士が土俵に上がろうとしている時に、黄色い声援が聞こえたら
「この呼出しさん人気なのかな?」と思って注目してみてください!イケメンも実は多いですよ!